ヴィクトリアマイルの考察

当レースが設立された０６年以降の過去１２年のデータ検証をしてみます。

まずは、【好走要件】です。

【Vマイル好走要件】

A.G1・3着内歴＋牡馬重賞（海外遠征含）出走歴・5歳以内

B.距離短縮・中3週以上・5歳以内

C.1枠

D.前年の勝ち馬

E.前走阪神牝馬Sで６人気以内

Vマイルにおける【好走要件】は以上の5項目に集約されます。

好走要件Aに関しては、単なる牡馬重賞出走歴があるだけではなく、能力の裏付けが必要であるという事です。

持てる能力以上のものは発揮できない訳ですから、G1級の能力を保持している事が前提となります。

5歳以下としたのは、後程、【鬼門データ】の説明で詳細を説明します。

好走要件Bに関しては、前走1800m以上の距離を使っている事で、スタミナ面におけるストレス解放が見込めるステップです。

中3週以上、5歳以内としたのは、【鬼門データ】に関連するためで、詳細は後述します。

好走要件Cは、コース替りの最内枠有利を物語る【好走要件】となっていて、数多くの穴が出現しています。

元々、東京コースはA～Bコースは内枠有利である事は競馬ファンの常識でもあり、コース替りで更に好走率がアップしている事と、タフな流れで経済コースを走れる強みが活きた結果であると受け止めています。

Vマイルは過去12回行われましたが、過去12回の3着36頭中32頭が、上記の【好走要件】を満たしていました。

例外は、昨年２着デンコウアンジュと３連単２千万馬券となった、15年の１，２，３着馬のみで、基本的には、上記好走要件フィルターに掛ければ獲れるレースとなっています。

今年の【好走要件】該当馬は以下の11頭。

◆レッツゴードンキ・好走要件C
◆ミスパンテール・好走要件C・E
◆ラビットラン・好走要件E
◆ジュールポレール・好走要件E
◆レーヌミノル・好走要件A
◆ソウルスターリング・好走要件A・E
◆アエロリット・好走要件A・B
◆アドマイヤリード・好走要件A・D・E
◆リエノテソーロ・好走要件A
◆リスグラシュー・好走要件A・E
◆デンコウアンジュ・好走要件A

次に【鬼門データ】に移ります。

Vマイルにおける【鬼門データ】は、以下の3項目。

【Vマイル鬼門データ】

A.中2週以下【0-2-2-55】

B.前走敗退の6歳以上【2-0-0-33】

C.二走連続1.0秒以上惨敗歴【0-1-0-9】

鬼門データAは、中2週以下のローテで多くはオーストラリアTや福島牝馬Sからの臨戦馬が多数を占めます。

距離短縮で一見よさそうに見えますが、中2週では勝負追いを掛ける事が不可能となります。

特に関西馬にとっては輸送もあり、中2週では追えても1本のみ。

G1を前に勝負追い（二週連続の負荷追い）が掛けられないローテは「鬼門」となります。
４頭の好走例は、昨年2着デンコウアンジュは出遅れて追い込みに徹したのが嵌った感じで、09年2着ブラボーデイジーと13年3着マイネイサベルは、1枠からのスタートで経済コースを走れたことが好走要因であり、15年3着ミナレットは大外枠でしたが、ノーマークの逃げで、特別なエクスキューズがつかない場合以外は、鬼門データA該当馬は買えません。

鬼門データBは、前走敗退の6歳以上。

Vマイルは極限のスピード、瞬発力、スタミナが要求されます。

年齢的に峠を越えた、過去の実績馬が巻き返すには、厳しい舞台であり、過去にはスイープトウショウ、カワカミプリンセスなどの人気馬が見る影もない無残な惨敗を喫しており、２度の例外のストレイトガールは、15年は、前走Ｇ１高松宮記念が、稍重馬場で、力を全く発揮できずに、１２着に敗退して疲れが残っていなかったことが好走につながったと考えられます。また、16年は前年の勝者であり、年齢によるハンデをコース適正が上回ったと考えられます。

鬼門データＣは、直近二走で惨敗を繰り返しているという事は調子を崩している可能性が高いです。唯一の好走は、13年2着ホエールキャプチャですが、同馬は前年当レースを勝っていました。

過去には、【好走要件】を満たしていたアプリコットフィズやフサイチパンドラも【鬼門データ】に該当しており、本番でも惨敗しました。

【鬼門データ】該当馬は以下の3頭。

◆レッツゴードンキ・鬼門B
◆カワキタエンカ・鬼門A
◆デンコウアンジュ・鬼門A

【好走要件】に該当して、【鬼門データ】に該当しない馬は以下の9頭です。

◆ミスパンテール・好走要件C・E
◆ラビットラン・好走要件E
◆ジュールポレール・好走要件E
◆レーヌミノル・好走要件A
◆ソウルスターリング・好走要件A・E
◆アエロリット・好走要件A・B
◆アドマイヤリード・好走要件A・D・E
◆リエノテソーロ・好走要件A
◆リスグラシュー・好走要件A・E

以上ですが、危険な人気馬となりそうなのは以下の馬です（下の人気ブログランキングをクリックすると馬名を見ることができます→８０位前後）