天皇賞春の考察
日曜日は、現役最強ステイヤー決定戦の天皇賞春が行われますが、このレースを考察してみます。
以前は、王道路線を歩んでいるチャンピオンホースが春の最大目標にしていたレースでしたが、近年は、海外遠征が主流となり、ほとんどの有力古馬は海外へ矛先を向けています。
90年代までは考えられない現象ですが、これも時代の流れであり、ステイヤーが種牡馬として評価を得なくなった為です。
荒れる要素の一つは、メンバーレベルもありますが、もう一つの重要な要素は馬場にあると踏んでいます。
堅く収まっていた2000年~90年代の勝ち時計平均が3分18秒7。
対して2001年から昨年までの勝ち時計平均値を算出すると3分16秒2。
時計にして2.5秒も高速化しています。
2000年代以前は、マヤノトップガンの3分14秒4がコースレコードタイムで、長くこの記録が破られる事はなかったですが、近10年間では3分14秒台以内の勝ち時計が5回も出現しています。
ちなみに、コースレコードはキタサンブラックの3分12秒5。
さらに、3着内馬の4角位置をみてみると、ほとんどが5番手以内で34秒台の速い脚を使って好走しています。
前半5F時計も後半5F時計も高速化していて、これはメンバーレベルが下がった事を加味すると、馬場による影響と考えられます。
京都は、3角~4角に掛けて坂の上り下りがありますが、直線は平坦コース。
近年の穴馬の好走パターンは、直線入り口で先団に取りついて、直線はその惰性のままゴールまで粘り込むパターンが多いです。
つまり、切れ味やスタミナというより、スピードの持続力と先行力が必要とされるレースで、例えるならダート戦のような展開により波乱が巻き起こっています。
この波乱を助長するのが、前が止まらない高速馬場で、上がりが高速化する事で後方からの瞬発馬は差し届かない事が多いです。
以前は、阪神大賞典組が圧倒的な強さを誇っていましたが、近年は、大阪杯や日経賞ステップ馬の方が成績がよいのは、それだけ春天がスタミナや底力を必要としなくなった事の表れだろうと見ています。
前年の菊花賞馬があっさり負けたり、一見盤石と思える単勝1本被り人気馬があっさり負けるのは、これらが要因ではないかという仮説のもと予想構築する必要があります。
これらの事実関係から、春天は古馬チャンピオン決定戦などではなく、速い上がりに適応できるスピードの持続力に優れた上がり馬のためのレースといえます。
ただし、前走ステップ競争は重要で、どんなに荒れていても主要ステップレースは、大阪杯・日経賞・阪神大賞典に集約されます。
過去10年間3着内30頭中25頭(83%)が該当。
例外は大阪ハンブルクC、京都記念、ドバイワールドC、ダイヤモンドSとなっています。
いくらスピードの持続力が重要とはいっても、距離は古馬G1最長距離となる3200m。
坂有コースでもあり最低限、クラシックディスタンスはこなせるスタミナは必須。
速い上がりは必須なので、勝つ資格がないのが、ジリ脚のステイヤー。
古馬重賞最長距離となるステイヤーズS好走馬が春天で馬券にならないのは、本番でこの致命的欠陥を露呈するためです。
では、具体的なデータ精査に入ります。
1.4枠より外で8人気以下の馬
今年は17頭立てなので、17頭以上で行われた09年以降の過去9年のデータを見ると圧倒的に内枠有利で、10人気以下で3着以内に入った6頭すべてが1~3枠でした。
逆に4枠より外で8人気以下は【0-0-0-62】と全滅しています。
≪該当≫
ピンポン
ソールインパクト
トウシンモンステラ
トーセンバジル
スタートレイアー
トミケンスラーヴァ
2.天皇賞春の好走要件
91年以降、主要3ステップ(日経賞、大阪杯、阪神大賞典)で、連対していた馬が3着以内に入らなかったことは1度もありません。
今年の出走馬で「主要3ステップ」の連対馬は以下になります。
チェスナットコート
ガンコ
サトノクロニクル
レインボーライン
但し、86年以降、前走から斤量が3キロ以上増えていた馬は【0-3-2-57】と勝った馬は1頭もおらず、2着3頭は4角2番手以内で、3キロ以上増えていた馬で、4角3番手以下は【0-0-1-50】で、一昨年3着シュヴァルグラン以外は全滅しています。このデータから前走から3キロ増のチェスナットコートとサトノクロニクルは、本命にはできません。
最後に、上位人気馬でいらない馬はアルバートです。
以下は、「レース1分前」に公開した「最終的な印」と買い目になります。
◎11番シュヴァルグラン2着
○12番レインボーライン1着
▲10番サトノクロニクル
△8番クリンチャー3着
×6番ガンコ
☆2番チェスナットコート
注15番トーセンバジル
・モデル購入:(合計20点)
「3連複軸1頭流し:11→2,6,8,10,12,15の15点」
「ワイド:11-12を5点」