エプソムCの展望
前回の記事ではマーメイドSの展望を述べましたが、今回はエプソムCの展望を述べてみたいと思います。
安田記念の1週後、宝塚記念までの間隔中1週という配置レース。
安田記念の敗者復活戦でもなく、宝塚記念のステップレースにもなり得ないレースであり、このレースの存在意義は「登竜門レース」という位置付けにあります。
ここを好走した馬は、サマーシリーズか秋競馬まで待機する形となります。
過去10年で、3着内30頭中20頭が4・5歳馬と若馬が強い傾向にあることからも、このレースが「登竜門レース」である事の裏付けとなっています。
賞金が足りている馬は、当然、安田記念か翌々週の宝塚記念に向かう為、ここはBクラスの4・5歳馬が参戦することになります。
Bクラスとはいっても、アクシデントでクラシックに乗り遅れた馬や、奥手の晩成馬の活躍の場となっています。
それはエプソムCが「登竜門レース」である所以であり、ここを勝つ馬というのはサマーシリーズで人気を集める馬か、秋のG1シリーズの穴馬候補であり、いずれにしても馬券売り上げに貢献できる馬という事になります。
過去10年で、6歳馬は【1-2-3-38】と不振で、7歳以上に至っては【0-0-4-44】と連対すらありません。
エプソムCに出走する6歳以上はすでに力の衰えが顕著かあるいは元々強くないのどちらかがほとんどで、6歳以上で勝ったのは09年2人気シンゲンだけです。
シンゲンは6歳とは言え、キャリアはわずかに13戦で、前々走OP特別の白富士S→前走新潟記念を連勝としており、破竹の勢いで、エプソムCで3連勝を飾りました。
つまり、シンゲンのようにキャリアが浅く、OP特別→重賞を連勝しているような馬でないと6歳以上は勝てないと見ていいでしょう。
準OPを連勝中の6歳馬グリュイエールですが、キャリアは13戦と少ないものの、1800Mは4戦して、すべて着外です。
距離適性に疑問があるうえに、シンゲンほどの実績はありません。
勝ち負けまでは厳しいと見たほうがいいでしょう。
逆に好調なのは4歳馬で、1人気に支持された4歳馬は過去10年で、【4-3-0-1】で、着外に敗れたのは4角17番手だったマジェスティハーツのみで、4角9番手以内だった7頭は【4-3-0-0】と「連対率100%」となっています。
今年、1人気が予想されるダイワギャグニーは、4角9番手以内は確実な先行馬で、過去データからは「鉄板の軸馬」となります。
人気でもダイワギャグニーには逆らえそうもありません。
但し、堅く収まるかというとそうでもなく、過去10年で、7頭の6人気以下が3着以内に好走しています。
7頭中6頭が3着で、6人気以下の人気薄は3着までというのが定番ですが、左回りマイル以上、準OP以上での勝利歴かオープンでの3着以内があり、左回り適性を武器に激走している事が分かります。
特に新潟大賞典をステップにしている6歳以上は【1-1-3-16】で勝ったのはシンゲンだけですが、「複回収率170%」となっており、穴を開けることが多いです。